春先のにわか雨
トミーウォーカーが運営するPBW『エンドブレイカー!』での活動記録です。
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2013
01,05
旧年中はお世話になりました
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リヴァイアサン大祭、新年と関わってくださった皆様、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。
今年の目標はLv55アビリティを覚えること!
※趣味炸裂していますのでご注意下さい※
目の前には地面があった。どういう状況だろう。枯れた草葉の上にうつ伏せで倒れているようだ。鼻先を乾いた葉がくすぐる。後頭部がずきずき痛い。
ええと、街道沿いに歩いてる途中だった。マギラントをもっと見て回りたかったんだ。天気は晴れ、風はなく、厚着をしてきたからそんなに寒くない。きれいに舗装された道のまわりはすっかり枯れた草地が広がってた。そうしたら、道から外れた丘の上に、崩れた小屋を見つけて……思い出した。眺めがよさそうで、近づいたら陰から殴られたんだ。
頭以外に、特に痛むところはない。立ち上がろうと手足に力をこめると、近くでごそごそと音がした。暴力を振るってきた相手かな……気絶している間に殺されていないから、物盗りだろうか。こんなふうに考えられる余裕があるなんて、少しは荒事にも慣れたかも。
「久しぶりの甘いものは生き返るにゃ~ん!」
「むぐむぐ、手がべたべたにゃ」
「にんげんは冬でもこういうものたべてるのかにゃ?」
「ふぅー、喉が渇いたにゃ」
咀嚼と舌なめずりの音に混じって、勢いのあるキンキン声、ふてぶてしいギンギラ声、幼くか細いチリチリ声、3種類の声が判別できた。発音には街の人とは違う、奇妙なイントネーションがある。内容はともかく語尾に不穏なものを感じた。まさかピュアリィか? そう思いはじめるとなんだか獣臭いような気もしてくる。
彼女(?)たちはおやつとして荷物に入れていた、リヴァイアサン大祭用お菓子に使ったクーベルチュールの余りに釣られているみたいだ。安くない買い物だったけど、これのおかげで助かったのか。気配は近いが、間近という感じはしない。おそらく廃屋の中にいるんだろう。
荷物だけ取られて放り出されているということは、彼女たちのお眼鏡には叶わなかったんだ。助かった。海賊ピュアリイ依頼の悪夢を思い出す。たしかに外見は魅惑的かもしれないが、遠慮なく触れられるのは苦手だ。できることならもう関わりたくない。
「んでさ、これからどすんの」
「ニンゲンのすみかに行く? でもあんま近づくと危にゃいって、トモダチが言ってたにゃ」
「そうにゃんだ」
「わお、これ超キレイ。も~らい」
「えっへん、よ〜く覚えておくにゃ。オトコを選ぶにはまず……」
いかにも気まぐれなピュアリィ、話題が飛び散って会話になっていない。ショコラが変な風に効いたのか、キンキン声とギンギラ声が幼いチリチリ声にオトコ選びとはなんたるかを熱く語りはじめる。曰く、背が高くてがっしりとした体つきのオトコを見たらイケメンチェック。最低限身長はこんくらい(と身振りが入る間があった)。そう、そう、林に木を切りにくるオトコはだいたい逞しいんだって。そこで待ち伏せたほうがいいかも。カオで選んでもいーけど、あんまり高望みしてもエモノを逃がすから妥協はすること。あとはイマイチなところをどこまで許せるか、ってとこかなー。性格ぅ? そんなの後回しよ、後回し。
なんだそれは。まあ……人間もそんなものなのかな。ご高説を聞き流して、少しだけ辺りをうかがう。頭の向きを変えないと肝心の廃屋の様子は見えない。
「ぜーはー、わかったかにゃ!?」
「いよっ、いいぞお!」
「……あの、おねえちゃん」
「あとは~、色仕掛けの訓練しないとだめかにゃ」
「さっきのにんげんはだめなの?」
急に振られて、心臓が跳ねた。思わず息を止める。考えが甘かったか。マスカレイドではなさそうだが、ピュアリィ3体から攻撃されて耐えられるだろうか。せめて気絶したままと思わせておけば、油断させられるかもしれない。
しかし彼女たちの派手な声はぴたりと止んだ。
「あんた、あたしの話きいてたのかにゃ? 狙うのは逞しいオトコにゃ」
「さっきのは甘い匂いがしてたから叩いただけにゃ。余計な体力は使わない主義だにゃあ」
「これから林につれてってやるから、もっとしっかり見る目を磨くにゃ」
酷い言われ様だ。でも獣を相手にしていても、特に怒りは湧かない。目の前でどんなことを言われても、たいていのことならもうなにも感じないようになった。それより、荷物をどうしよう。このまま全部放置して、林とやらに行ってくれるならすべてうまくいくんだけど。
「それにさ……」
恐ろしいものでも語るというように、急にピュアリィが声をひそめる。
「ここんとこ。みたでしょ」
「あれは気持ち悪いにゃあ。ドン引きだにゃ」
「よーっぽどでなきゃ、わざわざあんなのを選ぶ理由はないにゃ」
「え、え」
「さって、気を取り直して次いくにゃ〜ん!」
半透明の貴石のような、不思議な輝きをした酒場の扉を押し開けて、暗色のクロークの裾を翻した少年が入ってきた。その顔色は寒い中歩いて来たにしても悪く、唇は青ざめ、目は暗い。
都市部の中産階級向けの酒場は、ちょうど夕飯の混雑時で騒々しい。内装は街のいたるところで見かける、魔法めいた文様の壁紙や調度品で統一され、掘り出された鉱石に吊金具をつけたようなランプが、青白い光で店内を照らす。どこか寒々しい印象を受けたが、この都市国家の文化なのだろう。
からんと鳴った鈴の音を背に外套を脱ぎ、腕で抱える。こうしてしまえば、中に着ている長衣の一部が裂かれていることは誰にも知りようがなくなる。裂かれたといっても鋭い爪で縦に入れられたものなので、たっぷりとしたドレープの身頃を注意して押さえれば、特に違和感を感じさせることはないはず。
近付いてきた店員が奥のカウンター席を指し示すと、その先に都合よく目的の相手の背を見つける。少年は手早く壁の板書きから日替わりスープを注文し、カウンターに足を向けた。
扉と似た石材のテーブルには、様々に調理された魚や冬野菜の皿が並ぶ。海上に浮かぶマギラントの立地は、勇士号での食事と同様に、ふんだんに海の幸をもたらしていた。焼き物、煮物、鍋、それに色とりどりの酒瓶が、冷たい色のテーブルに映える。
カウンターでは白髪交じりの強面の男が手際よく酒類を用意していた。10席ほどあるカウンター席の一番端で、特徴ある髪型の男は食後の一杯を嗜んでいる。普段は大勢で騒いでいる印象の強い彼が、ひとりでいたのは僥倖だった。
「リーさん」
逞しい肩を揺らして、情報屋の男が振り返る。少年は彼と何度か言葉を交わしていたが、向こうは記憶がおぼつかないのか、軽く片眉を上げた。しかしその眼の中に同類の光を感じ取って、すぐに人好きのする笑顔を口の端に浮かべる。
「おう、お疲れさん。今から飯か?」
「隣、お邪魔するよ」
背の高い一本足のカウンターチェアは、見た目に反して冷たくなかった。少年の身長では座りにくい高さの椅子だ。肘を使って身体を支え、なんとか着席する。床に届かない足先がなんとも心許なかった。外套を膝の上に置き、その上にテーブルナプキンを広げる。これなら、衣服の破損もわかるまい。
自慢のリーゼントを揺らして、リーは板に書かれたメニューを渡してくれる。酒杯以外すべてきれいに平らげた皿を指して、満足そうに鍛えた腹を叩いてみせた。
「肉もいいが、オススメは魚だな。本日のお任せ飯はなんとか魚の煮付け定食だ。それと貝の酒蒸しが旨いぞ」
正直なところ、食欲は全くない。グロッキーといってもよかった。どうやって街まで戻って来たのか、記憶も曖昧だ。当然、手に荷物は持っていなかった。殴られた後頭部の痛みはもう引いたが、剣とロザリオを失い、心柱が抜かれたようだ。悲しいのか悔しいのかもっと他のなにかなのか、空虚感が酷く、感情がよくわからない。血の気の引いた頭ではなにもかもどうでもよくなりそうだったが、情報屋に頼みごとをしなければとの一心で、ここまでやってきたのだ。
「ごめん、食欲がなくて……また、今度試すよ」
正直に話すと、リーは琥珀色の液体が残り少ないグラスを置いて、驚いた表情で少年の顔を覗きこんできた。人の視線に晒されるのはどんなときでも居心地が悪い。
「おい、大丈夫か。顔色悪いぞ。どこか具合でも悪いのか」
冬でも革の半袖ツナギ一枚の腕が、肉付きの薄いフォシーユの肩に伸ばされたが、触れられる前に少年は自分で肩を抱く仕草をして、軽く拒否の意志を示した。余裕のなさが酷い対応をしてしまったと、すぐに後悔する。無理矢理微笑んで見せると、世話好きで人の良い男は傷付いた風も見せず、心配げな表情をそのままに腕だけを引っ込めた。
「平気、……それより、リーさん。人を集めてほしいんだ」
「どうした、事件か、それともなにか見えたのか?」
時に調子に乗ることはあれど、真摯に人の話を聞こうとしてくれる態度は、今座っている椅子のように不安の多い少年を少し安心させた。古参の情報屋として、多くのエンドブレイカーたちを何度となく依頼に送り出してきた彼は、年齢と外見にそぐわぬ、細やかで成熟した精神を備えているように見えた。
「街道近くで、ピュアリィの姉妹……かな、会った。街にも近いし、追い払った方がいいかも」
具合の悪そうな様子をピュアリィとの対峙のせいだと判断したリーは、納得した様子で腕を組んで頷く。頬に擦り傷のひとつでもできていたかもしれない。
「お前は無事だったんだな」
「そうでもない。大事なものを、奪われた」
リーが目を剥く。ああ……言葉を間違えた。彼の好きそうな冗談を先手を打って制すべく、フォシーユは右手を数回開閉して見せた。
「武器と、お守り……と、小銭、おやつ」
「あ、ああ、そりゃ大事なもんだよな。そいつらの居場所は分かるのか」
出鼻を挫かれて、そのまま苦笑いを浮かべる男が、ポケットから丸めた紙の切れ端と小さな鉛筆を取り出す。それを受け取り、覚えている限りの地形を書き込んだ。街の門と街道、丘、最後に例の廃屋があったところにバツ印をつけて、指で示す。
「ここの廃屋に住み着いているような感じだったけど、違うかも。林に行くと言ってた」
相手について、数以外の情報は確認できていない。誤解がないように要点のみを伝えた。ピュアリィが話題にしていたことなど、関係のない情報だ。リーは笑みを消してすっかり情報屋の顔になり、地図を覗き込んであごをさすっている。
「ふむ、林の具体的な場所は街道を通る商人たちに聞けば目星がつくかもな。ピュアリィか……どんな塩梅だった?」
「その、実際には見てないんだ。にゃーと言ってたから、フェルプールかな。3体。声の感じ、1体は他より幼そうだったけど」
リーは考え込むように腕を組み、眉間に皺をよせて首をひねる。深い吐息の端に、若いのはいいが、あまり若すぎてもな……などと漏れ聞こえる。フォシーユは半眼になって、呆れた視線を隠さなかった。
「なんだ、それはな、大事な問題だぞ。スムーズな解決のために俺は適切な人員を派遣しなきゃならない。重要な情報なんだ」
返事をせず、胡散臭げに視線を投げていると、リーは残ったグラスの酒を一気に煽り、なにかを決意した様子でだんとカウンターに叩き置いた。たまたま目の合ったカウンターの男が面倒ごとはごめんだとばかりに、客ふたりを糸のように細い目の奥からにらみつけてくる。ぎょっとしたリーはわずかにフォシーユに顔を寄せて、落とした声量で後を続けた。
「分かった。そういう趣味の連中に覚えがある。すぐ集まるぜ。それで、お前はどうする。武器がないんだろう。街で待ってるか?」
「そういうわけにも、いかないよ。ピュアリィのことは、任せたいけど」
どうも話が噛み合わないな、と薄く笑いながら、フォシーユはちょうど運ばれてきたスープに意識を向ける。食欲はなくても空腹ではあった。目の前に温かい料理が出されると、少しだけほっとする。白身魚の切り身と、貝や烏賊の足が煮込まれた黄色いスープにスライスされたバゲット。ハーブで消しきれない魚介の臭みに、故郷のブイヤベースを思い出す。立ち上る湯気は暖かく、思いがけず懐かしさに強く胸を打たれて鼻が湿った。
突然黙ってしまった少年の横顔に目を止めたリーは、なにも言わず紙と鉛筆を懐にしまい、尻ポケットから財布を取り出した。背もたれがわずかに揺れ、労いの手が置かれたのを感じる。
「とりあえず、これ飲んだら帰ってあったかくして休め、な。ここは俺が奢ってやるから。親父、ごちそーさん」
勘定を終えリーが席を立ってしばらくしたあと、ようやく絞り出した声が詰まった。
「……ありがと」
慰めがことのほか沁みた。かけられた情けは気分を軽くする。いけない、もう傷付きたくないから心を閉ざし、ひとりでいたいと願うのに、人は恐れる以上に優しいのではないかと錯覚してしまう。
鼻をすする。せっかく盛りたてを運んでもらったのに、料理が冷めてしまう。バゲットに手を伸ばしたとき、すぐそばに畳まれた布巾が置かれていたのに気付いた。
カウンターの男は変わらず、黙々と酒を作り続けている。混雑している時間なのに、自分の両隣はずっと空いたまま。少年はなにかに耐えるようにぎゅ、と唇を噛むと、白い布に手を伸ばし、睫毛の端に溜まっていた水滴をそっと押さえた。
***
・目的は私物の奪還とピュアリィ?を追い払うこと。丘は見晴らしがよく、近づけばほぼ発見される。林の場所は不明だが、伏せるにはこちらの方が容易。時間の使い方によっては、魅了された人質が加わるかもしれない。他には囮とか、作戦は自由。
・当初は、アイスレイピアを強奪されて情緒不安定なフォシーユ少年が、マギラント大祭で使った大鎌で破壊衝動に任せて敵を惨殺するぜヒャアッハァー!なネタだった。
・リーさんいつもバリバリ情報局でお世話になっています。
・ピュアリィが敵だといつから錯覚していた? もしかしたら真性アニメ声のオカマジャグランツかもしれないぞ。
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